あらすじ
あの世からなぜか蘇ったはずの人間たち。東京と大阪の街でハイテク武器を手に、力を合わせて謎の星人軍団と終わらない激しい戦闘を繰り広げる。
ネタばれ
渋谷の交差点。黒スーツを着た玄野たちは鬼星人と戦っていた。玄野は鬼星人を倒すも、自身も死んでしまう。
男子高校生の加藤勝は中学生の頃に両親を亡くし、現在は弟の歩との二人暮らし。ある日、加藤は弟の誕生日にケーキを買って帰る途中、駅のホームで通り魔事件が発生する。加藤は刺された人を介抱しようとするが、加藤も通り魔に刺され殺されてしまう。
加藤が目を覚ますと、見知らぬマンションの一室にいた。部屋に居た中年男性、鈴木によると、そこは死んだ人間が集められ、異星人を倒すゲームをさせられるという。部屋には他に、アイドルのレイカ、中学生の西、ヤクザが居た。レイカ、鈴木、西は落ち着いているが、加藤とヤクザは状況が飲み込めない。すると部屋にあった黒い球体「ガンツ」が作動する。ガンツは武器や強化スーツを出し、ぬらりひょんを倒せと指示する。ヤクザは生意気な態度の西に食って掛かるが、西は対象を内部から破壊する銃「Xガン」でヤクザを殺してしまう。その後4人はガンツにより戦いの場へ転送される。
加藤たちが転送された先は、大阪の道頓堀であった。加藤たちは大量の妖怪に襲われるが、そこに現れた大阪チームに助けられる。鈴木は好戦的な大阪チームに星人の相手を任せようとするが、加藤は襲われている一般人を放っておけず、一人で行動する。加藤が一般人を助けていると、大阪チームの杏に声を掛けられる。杏は加藤をギゼンシャ星人とからかうも、一般人を助け続ける加藤に惹かれていく。杏によると、大阪チームにはこれまでにゲームを3回クリアした島木、4回クリアの室谷、7回クリアの岡がいるという。岡は巨大ロボに乗り込み、巨大な妖怪、牛鬼と戦っていた。
一方、レイカと鈴木は機動隊に敵と間違えられ撃たれるが、加藤が助けに入る。しかしそこに妖怪の天狗が現れ、機動隊を全滅させてしまう。加藤は捕獲、転送用の武器「Yガン」を使うが、天狗は筋力でYガンの拘束を解いてしまう。また室谷と島木が現れ、室谷が「Zガン」で攻撃する。しかし天狗はZガンの攻撃を耐え、室谷を捕まえる。室谷は天狗に握られたままXガンで天狗を倒すが、室谷は息絶えてしまう。
するとぬらりひょんが現れる。島木が相手をするが、逆に殺されてしまう。加藤もやられそうになるが、透明化していた西がZガンを使いぬらりひょんを倒す。しかしぬらりひょんは形態を変え復活し、西の腕を切断する。加藤たちは西を連れ、その場を逃げ出す。
逃げ出した加藤たちだったが、ぬらりひょんが追い付いてくる。そこへ牛鬼を倒した岡が現れる。序盤は岡がぬらりひょんを圧倒するが、ぬらりひょんは再び形態を変え、岡を追い詰める。しかし岡は不意を突き、ぬらりひょんを倒す。ぬらりひょんは不意打ちしか効かず、岡は戦い続けるのはリスクが高いと判断し、ぬらりひょんに止めを刺さず姿をくらます。加藤は代わりに止めを刺そうとするが、ぬらりひょんが攻撃により、加藤を庇った鈴木が気を失う。ぬらりひょんは最終形態になり、岡を追いかけに行く。残った加藤たちは作戦を立て、加藤が囮で残り、レイカと杏が遠距離から狙撃することに。杏は配置に着く前に加藤と一緒に住むことを約束する。
加藤の前にぬらりひょんが戻ってくる。ぬらりひょんは岡の頭を手にしていた。配置に着いた杏とレイカが攻撃を食らわせ、ぬらりひょんはダメージを受ける。しかし加藤がぬらりひょんの攻撃で足を失い、その姿をみた杏が戻ってくる。彼女は加藤を守りぬらりひょんに攻撃するも、殺されてしまう。その後意識を取り戻した西の助けもあり、加藤がZガンを使って、ぬらりひょんを本当に倒すのであった。
部屋に戻ってきた加藤たちは、ガンツによる採点を受け、加藤は100点を取りゲームクリアとなる。加藤は鈴木やレイカからガンツからの解放を勧めるが、加藤は杏を生き返らせることを選択し、杏は大阪の部屋で生き返る。加藤は先に帰るが、実は加藤は過去にゲームに参加しており、玄野たちの勧めでガンツから解放されていた。鈴木とレイカはそのことを知っていたが、話せば加藤は自分を犠牲にしても他の人を助け出すと考え、あえて黙っていた。レイカは玄野を復活させることを決意し、加藤は無事に歩のもとへ帰るのであった。
感想(原作のネタばれあり)
人気漫画「GANTZ」が原作の3DCGアニメ映画。その中でも特に人気の高い大阪編が舞台になっています。
正直あまり期待していなかったのですが、かなり面白かったです。アクションが迫力があったり、キャラクターの動きが自然だったりと、技術の高さもありますが、一番の理由は原作リスペクトが感じられたところですね。個人的に原作のファンで一番大阪編が好きだったので、ストーリーは変えて欲しくないなーと思っていましたが、メインストーリーの流れは原作通りでした。原作を知らない人向けに多少は話が変わっていましたが、原作の良さを壊さない程度だったので、ほとんど気になりませんでした。特に加藤のかっこよさはそのままだったので良かったです!
原作との相違点の例をあげると、登場人物が少ない、妖怪が少ない、序盤の玄野や加藤の死に方が違う、加藤が記憶のない状態で戦っている、加藤が玄野ではなく杏を生き返らせている、など色々あります。
登場人物は半分以上減っており、少し寂しいですね。しかしかつて加藤が参加していた記憶の中に、風とタケシがいたり、死んだ人リストの中には玄野以外に、風、タケシ、桜井、坂田、稲葉、和泉、岸本らしき人物がいたりと、この辺りも原作リスペクトを感じました。ちなみに大阪チームのドSの3人は作中で姿だけあり紹介されていませんが、スタッフクレジットでは声優付きで名前があります。
妖怪が少なくなったのは、いなくなった登場人物が戦っていたのがほとんどでした。しかし島木が登場していたのに、彼と戦っていた犬神までいなくなったのは残念でした。
玄野や加藤の背景が色々違うのは、原作を読んでいない人向けにも作っている以上、仕方ないと思います。加藤が杏を生き返らせたのも、加藤は玄野の記憶がなく、本来杏を生き返らせた大阪チームのメガネもいないので、映画内では妥当かな流れだと思います。
声優はほとんどプロでしたが、大阪チームのメインメンバーの声優には芸人のケンコバ、HG、RGが起用されており、スタッフクレジットで初めて知りました。セリフは結構ありましたが、全然気が付かなかいほど自然な演技でした。
原作ファンも知らない方も楽しめる映画だと思うので、是非一度ご覧ください!